「うつ病が良くわからない」という人に、分かりやすそうな解説方法を考えてみました。

 

近年、うつ病は 「心の病」 という言い方が、適切ではないと指摘されて、「脳の病」 と言いかえられる事が増えてきております。

 

 

まあ、『心』は臓器でもないし、人体のどこにあるかも分かりませんので、医学の領分ではありませんよね。

 

 

どこのヘボ医者だ、そんな言葉を作ったのは?・・・・  って感じです。

 


最新の研究では、うつ病にかかると、人間の脳では情報処理物質の活動が、正常ではなくなってしまうために、脳から正しい指令が出てこなくて、辛くもないのに、辛い気持ちになったり、仕事や日常の活動に、支障をきたすことが分かっています。

 

 
ザックリ言えば、うつ病は脳が病気にかかって、正しく機能しない病なのです。

 

 
しかし、そうは言っても 「ヤル気が出ない」 とか 「仕事をしたくない」 「興味がわかない」などといった、うつ病によくある症状がは、『心の問題』 と、誤解を受けやすいことは、否定することができません。

 

 

私もこのブログでは、気持ちの持ちようは関係がないと、何度も紹介して来ましたが、そうは言いながらも、信じてもらうのはなかなか難しいだろうとも、認識しております。

 

 
表に見えるうつ病の症状が、病ではなく、怠けている人に見えるというのは、どうしょうもない事実ではあります。

 

 

ですから「そういう病があるんだ」 という事を、とにかく多くの人に知ってもらうしかないとも思います。

 


そういうわけで、うつ病にかかった事がない人にも、分かりやすい説明のしかたが、あったらいいな~という結論に至るのですが、私は身近な物に例えるのも、一つの方法かなと思います。

 

 

脳は情報処理の、役目がある器官ですから、電化製品でいえばパソコンに近い、と言ってもいいものです。

 

 
いや、むしろパソコンは人間の脳の役割を、代行する目的で作られた機械ですので、脳が似ているのではなく、パソコンが脳に似ていると言う方が、より実態に近いでしょう。

 


モノが似ているせいか、脳の故障であるうつ病と、パソコンの故障も、類似する部分が沢山あります。

 


まず情報の処理スピードが、遅くなるという事です。

 


計算や、状況把握、文章の読みとり、分析、などなど、、、、、、 なんでもスピードが遅くなります。

 

 

患者の方は、仕事がいつもの倍も三倍も時間がかかってしまったり、ちょっと考えれば答えが出そうな問題に、いつまでも答えが考えつかないなどといった、症状も体験しているかも知れません。

 


実際に パソコンの内部で、情報処理されているところは、目で見ることはできませんが、モニターに映し出される、文章や映像が動かなくなったりするので、中でやっている情報処理に、問題が出ているのが分かりますよね。

 

 

 

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最近のパソコンは、こういう アラートが出にくくなりましたね。

 

 


昔はこれが出たまま、中のディスクが回っている音はするのに、何十分待ってもフリーズしたままという事も多かったです。

 


これを画面が壊れたと、思う人はおりませんよね?

 

 

うつ病の場合も、脳内の情報処理がどうなっているか、目で見て確かめる事はできません。

 


しかし、「働く気になれない」 「疲れが 24時間、365日とれない」 「辛い気持ちが消えない」 などという、表に見える不具合で、情報処理がおかしくなっているという事を、推察することができます。

 

 

いや、実を言うと検査器材を使うと、うつ病の人の脳の活動は、明らかに悪くなっているのが、見て分かるように出来る技術も、実際に存在します。

 

 

 

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これは血流量や、酸素の消費量から、脳の活動の活発さを測って、図にあらわしたものです。

 

 

 

もう何年かしたら、病院でそういう検査をやってくれて、「あなたの脳は、確実にうつ病です」「あなたは、怠けてるだけです」 と分類を、キッチリ してくれるかも知れないですね。

 

 

うつ病が誤解を受けやすい理由には、病気でもないのに 「私、うつだから~」 と言って、学校や仕事をサボる、心無い人間がいるせいもあります。

 


でも怠けているだけの人の、 「自分はうつ病です」 という嘘を、確実に見抜けるようになれば、そういう嘘がつけなくなりますし、本当のうつ病の患者は、もっと理解されやすくなると思いますので、早く臨床レベルでも、使って欲しい技術ですね。

 


ただ、脳の活動が違ってしまっている、というのが分かっても、それを治す方法が見つかるわけではありませんので、そこはまた別に研究してもらう必要はあります。

  


パソコンなら修理せずに、買い替えということもできますが、人間の脳の場合はそうもいかないので、修理 (治療) するしかありません。

 


オフィスで、事務の仕事などしてらっしゃる人は、パソコンがなければ仕事にならないという、認識は十分にあると思いますが、人間も同じで、脳が故障したら仕事にはなりません。

 


うつ病の脳は、たいがい完全に壊れて動かなくなるのではなく、活動が弱まっているだけですので、パソコンに例えれば、最新パソコンが壊れたので、古いパソコンを引っ張りだして、使っているというような感じだと思います。

 

 

Windows 10 を使っていたのに、急に Windows 7 で同じ仕事をしろと言われたら、まあ、エクセルで決算表くらいは作れるでしょうが、ネット動画など 5秒おきに止まりそうです。(笑)

 


20世紀末期に主流だった、 Windows 98 を使うことにでもなったら、もはや何もできないでしょうねぇ。

修羅場だわ~ (;^_^A

 

 

うつ病が回復してくると、人間の活動量はだんだん増えますので、新しいパソコンが修理から戻って来て、使い勝手ががぜん良くなるのと、似ているとも思います。

 


古いパソコンだと、データ量が少ない仕事しかできないというのも、うつ病の単純な仕事しか、出来なくなるのと似ていますよね。

 


また同じデータ量の作業でも、古いパソコンは処理スピードが遅いので、時間がかかってしまいますが、うつ病も同じ仕事に時間がかかりますし、同じ仕事でもかかる負荷が大きいので、早く疲れて、ギブアップしてしまうのも似ています。

 


このような、特徴を総合すると、うつ病をかかえたまま、仕事をするのは非効率的であるとも言えると思います。

 


新しいパソコンが治って帰って来れば、1時間で終わる仕事を、古いパソコンでだましだましやっていたら、半日かかったというのは、まあ仕事が終わったのだから良かったと、考えることもできます。

 


しかし、新しいパソコンで作ったデータを、古いパソコンで無理に使おうとすると、パソコンが壊れる場合もよくあります。

 


これでは、被害をより拡大してしまっていると言っても、過言ではありません。

 


うつ病で言えば、まだ十分に回復してもいないのに、無理に仕事を再開して、悪化をまねくという、パターンに相当すると思います。

 


古いパソコンは、完全に壊れてくれたら、捨てるふん切りがつくので、助かっちゃう?

確かにね。 (笑)

 

 

でも、人間の場合は、完全に壊れたら大へんです。

 

 

うつ病は、完全に治ってからとは言わないまでも、仕事がそれなりに普通のスピードで、こなせる程度になるまで、回復させてから仕事復帰を図る方が、リスクが低いと私は考えております。

 

 

どうでしょうか?

 

 

うつ病のイメージが、パソコンの故障と比較することで、少し理解しやすくなりませんか?

 

 

こんな長い解説、誰も聞いてくれなさそう?

・・・・確かに。😞

 

 

まあ、うつ病の苦労は、うつ病にかかった事がない人には、ほとんど理解できないと考えていいでしょう。

 

 

理解されない事を、ある程度は覚悟して、治療に立ち向かうべきだと私は思っております。

 

 

お大事にどうぞ。

 

 

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